ブルサ

Bursa

(last update: September 3, 2004)
 ブルサは「古都」と形容されることが多いが、これはオスマン・トルコ最初の首都に選ばれたことに由来すると思われる。また、トルコ人は「緑のブルサ」と呼ぶ(日本で言えば「杜の都 仙台」といったところか)が、これは街に緑が多く、またそそり立つウル・ダー(山の名。「偉大な山」とでもいう意味らしい。)が緑におおわれているからでもあろうし、「緑のモスク」や「緑の廟」(これらは外壁が緑色をしている)という名所があるからかもしれない。これらの名所のある地区の名前からして"Yeşil"、つまり「緑」そのものなのだ。

 ブルサと聞いて思い浮かべるものはたくさんある。絹(「繭の市場」と呼ばれるバザールには絹製品を扱う店がたくさん集まっている)、スキー場(ウル・ダーにはゲレンデがある)、温泉(ウル・ダーは休火山らしく、ふもとには温泉プール付きのリゾート・ホテルが多い。また、イスタンブルとは違い、ブルサのハマム(トルコ風呂)には大きな浴槽があって、ちょっとした銭湯気分が味わえる。)、名所・旧跡(ウル・ジャミイ、ムラディエ、イェシル・トゥルベ、イェシル・ジャミイ、始祖オスマンの墓、等)、カラ・ギョズと呼ばれる伝統的な影絵人形劇・・・だが、何と言っても忘れてはならないのがイスケンデル・ケバブ、つまりあぶった肉のそぎ切り(即ち、ドネル・ケバブ)に溶かしバターとヨーグルトをたっぷりかけた名物料理だろう。

 これは、現在ではトルコ中の至る所で食べることができる一般的な料理だが、実はこの料理はそれを考案したイスケンデルという人の名前に由来するらしい。ブルサにはイスケンデル・ケバブを売り物にしたロカンタ(レストラン)は数多いが、ブルサの市街地の中央を走るアタチュルク通りからちょっと脇道に入ったところに、「本家」イスケンデルの店がある。

この店で手渡されるメニューにはイスケンデルがこの料理を考案した経緯がトルコ語、英語、ドイツ語で見開きで書かれている。それによれば、この店は創始者イスケンデルの3人の息子が経営しているそうだ。

 メニューは大きいが、実は出来る料理は3種類。
イスケンデル・ケバブ、大盛りイスケンデル・ケバブ、そして、半盛りイスケンデル・ケバブである。

焼けた肉が、ピデと呼ばれる薄焼きのパンを敷き詰めた皿に盛られてテーブルまで運ばれて来た後、溶かしバターとヨーグルトそれぞれについて「かけるか?」と尋ねられる。バターは専門の係が熱々のフライパンを持って、また、ヨーグルトも別の係りがいてお客一人一人に聞いてまわる。とはいえ、尋ねる方も答える方も非常に形式的だ。というのは、よほどのことがない限りこれらを断る客がいるとは思えないからだ。もし、読者がこのような場面に遭遇したら、「テレ・ヤー(バターの意)?」とか「ヨールト(ヨーグルトのこと)?」とか聞かれた瞬間に、迷わず「エヴェッ!」と答えるか、あるいは単に「フムフム」という感じでうなずけばドバドバッとかけて貰えます。多い方がおいしいです。
(注:「エヴェッ!」というのは、ホントはevetだけど、日本人は最後の子音が苦手だからいっそ言わない方がそれらしく聞こえると思う。「エ」に力を入れて発音して下さい。)

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